井波彫刻は、浄土真宗大谷派井波別院瑞泉寺と深いつながりを持っています。

明徳元年(1390年)後小松天皇の勅許をいただき本願寺五代卓如上人によって創建されましたが、1580年戦国時代の一向一揆の戦乱で、富山城主佐々成政によって焼き討ちされました。

宝暦年間(1774年)の再建の折、京都本願寺の御用彫刻師前川三四郎が派遣され、このとき地元大工番匠屋九代七左衛門ら4人がこの再建に参加し、前川三四郎について彫刻の技法を本格的に習ったのが井波彫刻の始まりです。

 楠・欅・桐を材料として、欄間・衝立・パネル・天神様・獅子頭などがあります。

特に欄間においては荒彫りから仕上彫りまで200本以上のノミ(彫刻刀)を駆使する高度な技術を要します。

井波彫刻は木彫刻産業として全国一の規模を誇っています。

井波彫刻伝統工芸士とは

 伝統的工芸品は、その主要工程が手づくりであり、高度の伝統的技術によるものであり、その習得には長い年月が必要とされます。また、生活様式の変化に伴い、伝統的工芸品の需要が低迷していることなどにより後継者の確保育成が難しく業界全体の大きな課題となっています。

 この課題に対処するため、伝統的工芸品産業振興協会では「若者にやりがいと目標を与える制度」の一環として、経済産業大臣指定伝統的工芸品及び工芸用具又は工芸材料の製造に従事する者を対象に「伝統工芸士認定試験」を実施し、合格した者を「伝統工芸士」として認定し、その社会的地位を高めることにより、後継者対策・伝統的工芸品の質的向上に励むばかりでなく、優れた伝統的技術・技法を伝える指導者としての役割を果たし、産地振興にも役立つことも期待されております。

一級井波木彫刻士とは

 経済産業大臣が指定した伝統的工芸品等の制作に現在も直接従事する彫刻家を対象に、厚生労働大臣が試験を実施し、合格した彫刻家を一級井波木彫刻士に認定したものです。

 伝統的工芸品の質的向上に励むばかりでなく、優れた伝統技術・技法を次代へ継承していくための指導者として活躍しています。